あなたの、子供はお家でゲームをしているでしょうか?
そして、それに対してルールを決めている家庭も多いのではないでしょうか?
私は、ドッグトレーナー・ドッグビヘイビアリストとして活動するために、
”行動分析学”という学問を勉強しています。
これは、犬の行動修正だけでなく、もちろん人間にも応用できる優れた学問です。
以前、中学生と小学生の子供を持つお母さんとお話しした時に、
「ゲームを1日1時間守らせるにはどうしたら良いですかね?」という相談を受けました。
立ち話程度の質問ですが、私なりに真剣に考えてみました^_^
以下:私とお母さんの会話
私:「〇〇さん、こんにちは〜。最近自粛モードですけど子供達元気ですか?」
お母さん:「こんにちはぁ〜。元気ですよ〜。勉強しないでゲームばっかりしてますけどw」
私:「そうなんですね。まあゲームは楽しいですからハマるのも無理ないですよ。」
お母さん:「ゲームは1日1時間まで!って決めてるんですけど、全然いうこと聞かなくて、最近諦めてます・・」
私:「ほうほう。1時間過ぎたらどうなるんですか?」
お母さん:「ゲームは没収します。でもね、没収してもユーチューブとか漫画読みだすし、この前なんか没収したのに、どっかから見つけてきちゃって・・w」
私:「そうなんですね〜。ちなみに1時間いないで終わった場合って、何かあるんですか?(子供にとって良いことが)」
お母さん:「ん〜特にないかも」
私:「きちんとルールを守っても何もないし、破ったとしてもせいぜいしばらく没収(=罰を受ける)されるだけなんですね。う〜ん、それだと子供にルールを守らせるのは厳しいかも。試しにこの方法(以下解説)をやってみてはどうですか?」
お母さん:「え〜。うまくいくかな〜?」
あなたも、このお母さんと同じような状態になっていませんか?^_^
最近のゲーム機は、起動するまでの時間がとても短くなっており、ゲームを開始しやすい仕組みになっています。
15年ほど前は、自宅のテレビでゲームをすることが主流で、ゲーム機を起動させて、実際にゲームを始めるまでけっこう時間がかかっていました。
私なんかは、その間に漫画を読んで時間潰してましたねw
ですが、今やスリープモードが搭載され、2秒ほどでゲームを開始できます。
ある特定の習慣を身につけたいならば、それに取り掛かるための時間を極力短くする必要があることを、ゲームを作る側もわかっていると思います。
つまり、ゲーム会社は、ユーザーにゲームをする時間をどれだけ増やしてもらえるのかを考えながら、ゲーム機やソフトを制作しています。
これに、立ち向かわなければいけません。
上述のお母さんのケースだと、子供がルールを守っても得られるものは罰の回避だけです。
しかし、ゲームを没収するということが、罰として効果が薄いのでルールを平気で破ることになります。というのも、子供はゲームをしている間はずっと継続的に報酬を得ている状態になっているからです。
もし罰を与えて、ゲームをやめさせたいならば、1時間をすぎた瞬間にゲーム機を粉々にしないといけません。それぐらい強烈な刺激であれば、1回で学習します。
没収(タイムアウト)という罰では、少々弱過ぎますからね。
もちろん、子供と喧嘩になるかもしれませんから!そこは毅然とした態度で接して
もう一度、同じもを買い与えてください。
再びルールを破ったら、間髪入れずにゲーム機を粉々にしましょう!!
罰を与えるには、一貫性が大事です。
弊害として、お母さんとの関係が悪くなるか、隠れてゲームをするようになりますがね。
「いやいや、さすがにそれは無理でしょ!」
というお母さんもいると思いますので、こちら案はどうでしょうか?
アラームを1時間後にセットして、子供の見えるところに置いておく。
アラームの音量はうるさいぐらいにする。聴覚刺激を確実に与える。
アラームが鳴る15分前にゲーム終了を促す。
ゲームをしてる時は、急に終われないことが多いため(経験上、ボス戦などはセーブできない状況があるのです)
「ほら!もう1時間たったよ!」と焦らすと、子供は「待ってよ!!もう少しだから!!」となりがちです。
なので
15分前に「セーブしときや?」と行動を促すのが良いでしょう。
繰り返せば、自分で時間管理のできる子供に成長します。
「ボス戦の前にセーブして終わっとくかぁ」となります。
無事に1時間以内で終わったら、おやつタイムにしたり、
宿題を手伝ってあげたりしても喜ぶかもしれませんね!
人はある行動を習慣化できるようになるまでに、約3ヶ月要すると言われています。
脳の神経回路がそれぐらいゆっくりと変化していくからだそうです。
なので、最低でも3ヶ月間は、お母さんがゲーム終了の合図をしてあげましょう♫
大事なことは、お母さんが嫌がるようなことを、子供がした時に、どうやって叱るかを考えるのではなく、
お母さんが望んでいること子供がした時に、どうやって褒めるかを考えることです。
私は、子供教育の専門家ではありませんし、子供もいません。
子育ては大変な苦労が多く、犬と比べてしまうことに嫌悪感を抱く人もいるかもしれません。なので「子育てはそんなに思うようにいかないんだよ!」とお叱りを受けそうですね( ̄▽ ̄;)
ですが、犬も人も同じ脊椎動物ですから、学習の原理は一緒です。
犬に罰を用いてトレーニングすると、犬は罰を与える人を嫌いになったり、どうやったら罰を回避できるのかしか考えなくなり想像力が欠如します。
さらに、罰を与える人がいないと、自ら行動を制御しなくなります。
子供に対しても、無視をする、叩く、好きなもの取り上げるなどの罰を与えて
教育しようとすると、同様の作用が起こります。
そして、そういう教育を受けた子供は、大人になった時、同じような方法で自らの子供を教育する傾向にあることが研究でわかっています。
ゲームは、依存しなければリフレッシュになりますし、
中学・高校ぐらいの男子であれば、友達とのコミュニケーションツールにもなっています。
ゲームを通じて友達ができることもあります。
ただ、子供の自制心はまだまだ未熟ですから、お母さんの管理がなければ、
必然的に遊び続けてしまうことになると思います。
このお母さんと同じように悩んでいる方のヒントに、少しでもなれば幸いです^_^
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