犬のトレーニングを仕事としている人間が、こんなことを言うのも変かもしれませんが
犬(それ以外の動物たちも)は、トレーニングされたいと思っていない。そもそも必要ない。そう考えざるおえない。
あくまで犬目線で考えた時はね。
人間目線で考えたら「犬を飼う以上他人に迷惑をかけないようにしないといけないから」
とか「犬との生活がもう少し楽になればないいかな」という思いから、彼らにトレーニングを行うことが多いでしょう。

私はドッグトレーニングとは、犬に新しい行動を教えることだと思っています。
例えば『お客さんが家に来た時に嬉しさのあまり飛びついてしまう犬』がいるとします。
訓練士に相談すると「飛びついた時に膝蹴りを入れろ」とか「大きな音を出してびっくりさせたらいい」と言う方もいます。
確かに、飛びつく行動をすぐにしなくなると思いますが、それはただのいじめです。
トレーニングではありません。おそらくですが、それで喜ぶ犬はいないでしょう。
それでも、犬が飛びつかなくなったら人間は満足するのです。
このような場合は、おすわり・ふせ・ハウスなどの新しい行動を教えるだけで簡単に解決するにもかかわらず。
どちらにしろ、犬をトレーニングする・したいと思うのは、完全に人間側の都合なのです。
それならば、少しでも犬に楽しんで取り組んでもらう工夫が必要ではないでしょうか。
こんなことを言うと・・
「キチンとしつけするのが飼い主の役目じゃないんですか!?」「もし飛びついて他の人が怪我したらどうするんですか!?」という方もいらっしゃいます。確かにそうかもしれませんね。
しかし、現代において犬を人間社会に引き込んだのは間違いなく人間です。人間の果てしない欲求によるものです。
少し前までの犬たちには、適性にあった仕事が与えられていました。
荷車や羊の護衛、羊をまとめる役目、野ウサギを探す、猟師が撃ち落とした鳥の回収、橇を引く、貴婦人のステータス、食用・・・あげ出したらきりがありません。
そして、仕事のない犬たちは、町のはずれで自由気ままに生きていました。
現在、日本にいるほとんどの犬は、ペットとして飼われています。
忙しいオフィスワーカーが牧羊犬を飼ったとして
このような作業をしなくて良くなった犬は、本当に幸せかどうか・・・
それはわかりません。

とはいえ、しつけのために「罰」を用いてトレーニングしようとするぐらいなら、そもそも犬を飼う必要などあるでしょうか?
『飛びかかる、吠える、噛む、唸る、引っ張る、マーキングする、草を食べる、ウンチを食べる、オシッコを舐める、ソファを破壊する、庭に穴を掘る、マウンティングする』
このような行動をする生き物、それが「イヌ」です。
それを、人間の都合でさせないようにしているわけです。
ドッグトレーニングをするなら
犬が喜びそうなこと(トリーツ・遊びなど)を使って、楽しんでするべきです。
犬に新しい行動を教えるのは、人と犬の両方に良い影響をもたらします。
『こちら⬇️の記事も参考にしてみてください』
結局のところ、犬の行動がおかしくなってしまうのは、人間と暮らしているからです。
犬は人間と暮らすことで、安全な寝床や食糧の確保は自らしなくて良くなりました。
しかし、生物の活動はほとんどが食糧の確保や子孫を残すためにあります。
人間と暮らすことで、そのような活動はしなくてよくなったor管理されるようになりました。それゆえに、やることがなくなって退屈なのです。
おまけに留守番が長い、自由に行動できる状況が少ない、他者他犬とのコミニケーションがない。そんな環境で問題が起きない方が不思議です。
体を動かせて、匂いを嗅いだり穴を掘ったり出来て、食べ物にありつけて、自由に休憩できる。そんな環境が整っていれば、トレーニングなど必要なくなります。
まとめると
そもそもトレーニングは必要ない。
犬はしたいと思っていない。
それでもトレーニングしたいなら、犬が楽しめるように工夫する。
というお話でした。
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