犬はトレーニング されたいと思っていない
犬のトレーニングを仕事としている人間が、こんなことを言うのも変かもしれませんが
犬(それ以外の動物たちも)は、トレーニングされたいと思っていない。そもそも必要ない。そう考えざるおえない。
あくまで犬目線で考えた時はね。
人間目線で考えたら「犬を飼う以上他人に迷惑をかけないようにしないといけないから」
とか「犬との生活がもう少し楽になればないいかな」という思いから、彼らにトレーニングを行うことが多いでしょう。

私はドッグトレーニングとは、犬に新しい行動を教えることだと思っています。
例えば『お客さんが家に来た時に嬉しさのあまり飛びついてしまう犬』がいるとします。
訓練士に相談すると「飛びついた時に膝蹴りを入れろ」とか「大きな音を出してびっくりさせたらいい」と言う方もいます。
確かに、飛びつく行動をすぐにしなくなると思いますが、それはただのいじめです。
トレーニングではありません。おそらくですが、それで喜ぶ犬はいないでしょう。
それでも、犬が飛びつかなくなったら人間は満足するのです。
このような場合は、おすわり・ふせ・ハウスなどの新しい行動を教えるだけで簡単に解決するにもかかわらず。
どちらにしろ、犬をトレーニングする・したいと思うのは、完全に人間側の都合なのです。
それならば、少しでも犬に楽しんで取り組んでもらう工夫が必要ではないでしょうか。
こんなことを言うと・・
「キチンとしつけするのが飼い主の役目じゃないんですか!?」「もし飛びついて他の人が怪我したらどうするんですか!?」という方もいらっしゃいます。確かにそうかもしれませんね。
しかし、現代において犬を人間社会に引き込んだのは間違いなく人間です。人間の果てしない欲求によるものです。