甘噛み
子犬を飼い始めて、真っ先に飼い主の頭を悩ませる行動の一つです
子犬のしつけ相談の中でもダントツで多いのが
この甘噛み
主に人の手や体にたいして、ハグハグしてくる行動なのですが
これがまた痛い!
子犬の歯は、シャー芯のように細く尖っているせいで、人の皮膚では痛くて耐えられません
成犬達も嫌がるので、犬も痛いのかもしれませんね
ですが、歯が鋭く尖っていることによって、
子犬は噛む力加減を学ぶことができるのです。
【甘噛みはコミュニケーション能力の発達に欠かせない】
子犬は遊ぶのが大好きです
群れの仲間との遊びは、心身の発達、絆の深まり、狩猟の練習など、生きていく上で多くのメリットをもたらします。
犬同士の遊びには、「相手と噛み合って遊ぶ」プロレスごっこのような遊びもあります
ですが、歯が鋭いので顎の筋力が発達していなくても、相手を不快にさせてしまうことも多く
嫌がった相手は、逃げていくか、反撃してきます
ただ遊びたかった子犬にとってメリットがありませんね
「どうしたら、相手に不快な思いをさせずに、遊んでもらえるかな?」と考え。
噛む力加減を学習していきます
そうすることで、子犬は仲間に嫌がられることなく遊びに興じることができるようになります。
【脈々と受け継がれてきた】
この一連の学習過程は
犬の祖先が、群れを形成して生きてきた証の一つと考えられています。
例えば、群れの中で、争いごとがあった際に噛む力加減が分からなければ、仲間に致命傷を負わせることになります。
ちょっとしたケンカで相手に大怪我させてしまうとどうなるか?
それはつまり、狩の成功確率を下げる要因となり、生存に関わってきます。
動ける仲間が多い方が、より大きな獲物を狙えますし成功確率もあがります。
つまり、甘噛みする子犬の方が、
よく遊び、心身が健康になり、仲間との絆も深まり、狩の技術を磨くことができ、群れの生存に強く貢献できる個体になります。
なくてはならない行動なのです。
【人との比較】
一方で
それは、私たち人間には理解しがたい行動かもしれません
なぜ、甘噛みするのかを知らなければ
「うちのイヌは異常なのか?」
「子イヌってこんなに噛んでくるの!?」
「なんかもう、触りたくない」
となり、犬との理想的な生活が
崩れてしまう要因になります
子犬が本格的にガジガジしだすのは
だいたい生後2・3ヶ月くらいからです。
人間の成長度合いでいえば、おおよそ3〜6歳児ぐらいですかね
その年齢の子供がいる親御さんで
「うちの子がプロレスごっこを開始して、殴ってきて痛いです!異常なのでしょうか?」
と、お医者さんに相談する人はいませんよね?
親が「痛いから!辞めなさい!」と口頭で注意すれば済むことだと思います。
しかし
犬には、言葉で注意することが出来ませんから
なんとか、やめさせる方法を探すか
誰かに相談することになります
「これが一生続くのでは?」と焦って
即効性のある罰を用いた方法に頼る飼い主さんも多いです。
子犬期の甘噛みは、
赤ちゃんの「指しゃぶり」に似ているとおもいます
赤ちゃんの指しゃぶりは、生後2~3か月頃から始まり、色々と口に入れたがる時期でもあるので、自分の指を吸うようになります。
その後成長と共に、手を使う必要が増えてきたり(つかまり立ち)、興味をもつ対象が増えたり、友達と過ごす時間が増えたりすることで、自然と指しゃぶりの回数は減少するといわれています。
赤ちゃんが指をしゃぶっているのをみて
「一生つづくのかしら?」
「うちの子異常なのか?」
と思いますか
焦らなくても、いつか終わることを知っているはずです。
甘噛みは、こちら側が痛みを伴うという違いがありますけどね
子犬の甘噛みがひどくなるのは
「ほとんどの時間を室内で過ごして退屈」
「噛むことでしか自分の欲求は通せない」
「遊びたいだけなのに怒られるだけで、遊び方を教えてくれないことのイライラ」
そういった心の問題です
「おいおい甘噛みはやめさせないと咬む犬になるって聞いたぞー」
と思う方もいらっしゃることでしょう。
たしかに一理ありますが
まずは、
「なぜ子犬は甘噛みをするのかを」を知ることで、焦って無理なトレーニングをしなくて済むと考えています
今回は「なぜ甘噛みするのか?」に焦点を当てて書かせて頂きました。
参考になればと思います
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