top of page
執筆者の写真uotani aki

褒めるとか叱るとかそんなことではないのです


とある三才の中型犬がいました

その犬を仮に「ポチ」と呼ぶことにします

ポチは利口でお座り、伏せ、待てなど、とてもよくできました

普段の生活ではなにも問題と呼べる行動はなかったのですが、

ある一点に、飼い主は疲れていました

それは、散歩での引っ張り癖です

ポチは未去勢のオス犬です

散歩の時には他の犬の匂いが気になって仕方ありません

1才の時よりもどんどん引っ張る力が強くなってきました

グイグイッ前へ前へと進んでいくポチについていくしかありませんでした

そこで、飼い主はドッグトレーナーに相談することにしました

「それならば、横について歩く練習をしましょう」

ということで、ポチに横について歩いてもらう練習をしました

横についているときは褒めて、前に出たら叱る

そんなことを繰り返して

横について歩くことは、何とか出来るようになり

ある程度散歩は楽になりました

しかしながら、今度は違った問題が出てきました

それは、横について歩いているとき

電信柱、道草などのところで急に「グイッ!!」と引っ張るようになったのです

突然、引っ張られるので腕を痛めてしまいます

そこで、飼い主はまた別のトレーナーに相談してみました

「それなら、試しに散歩中にたくさん匂いを嗅がせてあげてください」

「褒めることも叱ることもいりませんよ」

飼い主は「なにを言ってるんだ?」と不思議でしたが、少し試しに好きなだけ道草の匂いを嗅がせてあげることにしました

そんなことを続けていて、しばらくしてふと気づきます

「ん?最近ぐいぐい引っ張らないような?そんなに散歩がしんどくないな」

ポチは横について歩くことはしませんが、飼い主を引っ張って散歩することはなくなりました

では、ポチはなぜそんなに引っ張って散歩をしていたのか?

そして、なぜ引っ張らなくなったのか?

飼い主はポチの散歩を運動として行っていました

飼い主はなるべく歩きたいのに、ポチは道草の匂いを嗅いでばかりでなかなか前に進みません

飼い主は匂いから引き離すように、すたすたと歩くことを繰り返していました

ポチはまだ匂いを嗅ぎたかったのですが、引っ張られるのでしかたなくついていきました

ポチの匂いへの執着はどんどんつよくなりました

以前は気にならなかった小さな匂いも嗅ぎたい!そしてより長く嗅ぐために

匂いの場所へと、早く着きたい!と考えるようになりました

その結果、引っ張るようになっていったのです

では、なぜ引っ張らなくなったのか?なんとなく分かりますか?

ポチに聞いてみましょう

ポチ「いや~最近は満足いくまで嗅がせてくれるからさ、助かるよ、だって匂い嗅ぐの大好きだもん」

私「そうか、それは良かったね♪」

ポチ「だから、本当に嗅ぎたい匂い以外は、踏ん張ってまで嗅ぐ必要ないかな~」

私「本当に嗅ぎたい匂い?」

ポチ「メスの匂いはやっぱりがまんできないな~」

私「それ以外は、我慢できるの?」

ポチ「どうせまた、嗅がせてくれるし」

私「なるほどね~」

褒めて教える!叱って教える!

そういうことを意識しなくても、犬の問題は改善されていきます

意味の無い行動はしません

ポチにしてみれば、引っ張る理由があったのです

犬の気持ちを真剣に考えてあげる

そんな飼い主でありたいですね

閲覧数:92回0件のコメント

最新記事

すべて表示

厳しすぎるしつけは攻撃性を上げる

犬が攻撃的になるのはいろんな要因がありますが、 一つ言えるのは、飼い主を見下しているからでも、 自分がリーダーになってやろうという考えでもないという事です。 昔ながらの犬のしつけでは、 犬に舐められないように接しなさいだとか、 犬のリーダーになれだの言われてきましたが、...

bottom of page