あなたの愛犬は、お客さんが帰ろうとした時だけ「ワン!ワン!!」と吠えることはありませんか?
入ってくる時には、ほとんど吠えないのに、なぜか帰る時になって吠える・・・
これには、いったいどういう意味があるのでしょうか?

例えば、お客さんが家に来るシーンを想像してみて下さい。
まず、インターホンが鳴ります。
この時に、吠える犬もいますしそうでない犬もいます。
あなたは玄関先でお客さんを出迎えます。
この時、愛犬は吠えるかもしれませんね。
ですが、お客さんが玄関から入ってきて、しばらくすると吠えるのをやめます。
そのあと、部屋の中で談笑したのち、お客さんが帰るために玄関まで行くと、途端に「ギャン!ギャン!!ギャン!!!」と吠える。
あなたは「えーー!?なんで帰ろうとする時にも吠えるの?帰らないでって言ってるのかしら?」と疑問に思うかもしれません。
『他人が家に入ってこようとする時に吠える』なら、警戒しているかということに察しが付きやすいのですが、『他人が家から出で行こうとする時に吠える』は「なんで?」となる方が多いようです
では
いったいなぜ、家や部屋から出て行こうとする時に吠えるのか?
「吠え」は音声シグナルで、非常に相手に伝わりやすいコミュニケーション方法です。
自分と距離のある相手に対して、何かを伝えたい時によく使用されます。
【吠え声の機能についてはこちらで詳しく解説しています↓↓】
ペットとして飼われている犬の吠え声の役割については、主に2つに分けることできます。
1つ目はポジティブなもの
シグナルを送る相手に対して「関心を向けさせる」「遊びに誘う」「要求を満たす」「相手を呼ぶ」
2つ目はネガティヴなもの
シグナルを送る相手に対して「威嚇する」「追い払う」「虚勢をはる」
これらの役割を前提に
家や部屋から出て行こうとする時に吠えるのかを考えるのが良いと思います。
=縄張りが関係している!?=
多くの犬は家の敷地内に、外との境界線を作っています。
いわゆる『縄張り』と呼ばれるものですね。
その境界線は、犬によって様々で
例えば玄関の土間やリビングの扉、ケージやサークル、外の門扉であったり、
または家から出て一番近くの電信柱だったりします。
そして犬は、この境界線の部分でもっとも激しく吠えるといわれています。
自分の安全圏を守るためですね。
いつもの散歩コースでは、他犬をみたら必ず吠えるのに、一緒にお出かけした先では
他の犬を見ても全く吠えないような犬がこれにあたります。
つまり、守るものがないのです。
『吠える動機がない』と言ってもいいでしょうね。
ただ、境界線付近では激しく吠える犬であっても
相手がその内側に入ってくると、途端に吠えなくなる場合があります。
例えば出張トレーニングに伺った際に、玄関先では激しく吠えてくるのに、いざ中にお邪魔すると吠えなくなるとかです。
なぜかというと
犬は、自分の安全圏を守れず侵入を許したので、次は自分自身の安全を守ために、違う防衛戦略を開始するからです。例えば相手に攻撃する、媚を売る、身を隠す、じっとする、といった具合です。
つまり、お客さんが家から帰ろうとする時だけ吠える犬というのは
玄関付近が、縄張りの境界線になっている可能性が高いのです。
そして、お客さんが再び入ってこないようにしているためと考えられます。
飼い主にしてみればバツが悪いですねw
一方で
そのような犬を飼っている方から「遊んで欲しいとかで吠えているのでは?」と聞かれます。
確かに、吠えたら遊んでもらえると学習している犬ならば、その可能性はあります。
特に、親しい人に吠える場合はそうでしょう。
ですが、誰に対していもそのような学習をしている犬はまれで、やはり安全を守るための吠えである可能性が高いです。
以上のことから
来客が帰ろうとした時に吠える目的は、縄張りの安全確保であり、その境界線が玄関や門扉付近になっているということです。
一方で、その犬にとってお客さんが大好きな人であれば、その人の関心を向けさせたいという思惑もあることでしょう。
実際にどちらの目的で吠えているのかは、犬の雰囲気や飼い主の態度、お客さんの態度などを総合的に見て判断しなければいけませんし、全く違う目的で吠えているかもしれませんね。
あなたの愛犬はどうでしょうか?
守るべきものがあるから、吠えているかもしれませんよ^ ^
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