🐾そもそもリードという概念がない!?
日本では犬を散歩する際には、リードの装着が義務付けられています。
リードの装着は周囲の人の安全だけでなく、犬の安全を守るためにも欠かせません。
しかし、それを理解しているのは人間だけです。
犬には”リード”という概念がなく「リードとは何なのか?なぜリードをつけるのか?」といったことを理解していません。
🐾リードは犬にとって安心材料にならない
例えば、散歩中にノーリードの犬がいると「こっちに来るんじゃないか?」と心配になったり、少し怖くなったりしますよね。愛犬が犬嫌いならなおさらかもしれません。
しかし、相手犬にリードがついてて、飼い主さんがそれを持っている状況であれば、そこまで心配をされる方は少ないと思います。
私たちは、犬にリードがついているから安心できるのです。
一方、犬の場合はどうでしょうか?彼らはどう見ているのでしょうか?
犬は「自分がリードに繋がれているときには行動が制限される」こういったことは、経験から学習しています。
しかし、相手犬にリードがついているからといって、それはあなたの愛犬にとって安心材料にはなりません。
犬目線では『散歩中に見かける他の犬たちは皆ノーリードで散歩している』ような状態です。
もしあなたの犬が、他犬に苦手意識があるとしたら
「もしかしたら相手がこっちに走ってくるかもしれない・・襲われるかもしれない」そんな恐怖を日々抱いてることでしょう。
その上「自分はリードに繋がれていて行動が制限されている、逃げたくても隠れたくてもできない」このような心理状態の可能性もあります。
想像しただけでも、良くないストレスに晒されていることでしょう。
そして、このようなストレスは、リードに繋がれているお互いの犬同士が感じています。
つまり、それぞれの犬が「自分は行動が制限されていて、相手は自由だ」と感じているということです。
🐾リードの扱いが大事
■知らないうちに吠えるトレーニングをしている
個体差はありますが、リードに繋がれて散歩中している犬は、ただでさえストレスが多い状態です。
にもかかわらず、飼い主がリードでショックをかけたりすると、犬は余計にパニックに陥ります。
例えば、散歩中に他犬(人)に吠えた時に、「こら!」(リードちょんちょん)としていませんか?
または、他の犬(人)をジーっと見ている犬に対して「ほら!いくよ!」(リードちょんちょん)としていませんか?
こういうことを続けていると、”必ず”吠えるようになります。
あまり馴染みがない人が多いと思いますが、犬に吠えることを教えるために、このようなやり方をする場合があります。例えば警察犬のようなワーキングドッグですね。
彼らに*防衛訓練で、禁足(*犯人役を吠えてその場に留めておく訓練)を教える際に、このような訓練方法で”吠えることを教える”場合があります。その後は段々と「合図」で吠えるように訓練しますが、最初は犯人役をジーと見ている時に「リードでちょんちょん」と刺激するのです。
(*防衛訓練とは、FCI国際作業犬試験(IGP)の中の「足跡追求」「服従」「防衛」の一つです。犯人とは言わずヘルパーと呼ばれますが分かりやすいように犯人役としてます)
このように飼い主さんは知らないうちに吠えるトレーニングをしてしまっているのです。
■リードの扱い方
上記のように、犬が何かをジーっと見ている時には、基本的にあなたもそのままジッとして
犬が動くのを待ちましょう。
とはいっても、どうしても動かさないと危険なシーンもあると思います。
そういう時には、ショックをかけないように『リードを優しくぐ〜っとゆっくり引っ張る』か『ハーネスや首輪を掴んで、ぐい〜っとゆっくりと移動』させてあげましょう。
余裕があれば、動いた後にトリーツをあげても良いですね。
他犬に吠えてしまった時には、リードでショックをかけないように、ただジッとリード短く持っておきましょう。
吠えている犬に対して、声をかけたりあれやこれやすると、それが刺激となって余計に興奮して吠えてしまいます。(吠える前に対処をしましょう)
他の犬と挨拶させるときは、必ずリードをたるませましょう。
🐾まとめ
散歩中の犬は、大なり小なりストレスにさらされています。
子犬の時から社会化をしっかりしていた犬は、他犬を見てもそれほど気にしませんが
あまり他犬と接する機会がなかった犬は、そういう犬よりも緊張しやすくなります。
相手のボディランゲージの意味が分からなかったり、逆に不適切なボディランゲージを相手に送ったりして相手を混乱させてしまうからですね。
例えば、車の運転に慣れていない時のことを想像してみてください。
おそらく、多少なりとも緊張していると思います。
そして、ボディランゲージが分からない犬というのは、相手が譲ってくれているのにずっと止まっていたり、逆に方向指示器を右に出しながら左に曲がるようなもんです。
その上イライラしてる状態だと、運転中の些細なことでもムッとするでしょう。おまけに助手席の夫が「あーだこーだ」言ってきたら、さらにムカっとしませんか?
いずれにしても、リードでショック(軽くても)を与えることで、より犬の緊張を高め
そのストレスの吐口として、吠える行動を選択させてしまいます。
犬のリードは、私たちや犬の安全を守る大切な道具です。
しかし、それを理解しているのは人間だけです。
犬たちにはリードの概念がなく、相手の犬がリードに繋がれていても安心することありません。犬に安心を与える事ができるのは、飼い主の態度や対応です。
リードの扱い方を間違えると犬を緊張させ、いわゆる問題行動を引き起こしてしまう恐れがあります。
知らないうちに『吠えるトレーニング』をしていないか、今一度確認してみてはいかがでしょうか。
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