リードに繋がれているイヌは、相手のイヌをどのように見ているか?
更新日:2021年10月27日
🐾そもそもリードという概念がない!?

日本では犬を散歩する際には、リードの装着が義務付けられています。
リードの装着は周囲の人の安全だけでなく、犬の安全を守るためにも欠かせません。
しかし、それを理解しているのは人間だけです。
犬には”リード”という概念がなく「リードとは何なのか?なぜリードをつけるのか?」といったことを理解していません。
🐾リードは犬にとって安心材料にならない
例えば、散歩中にノーリードの犬がいると「こっちに来るんじゃないか?」と心配になったり、少し怖くなったりしますよね。愛犬が犬嫌いならなおさらかもしれません。
しかし、相手犬にリードがついてて、飼い主さんがそれを持っている状況であれば、そこまで心配をされる方は少ないと思います。
私たちは、犬にリードがついているから安心できるのです。
一方、犬の場合はどうでしょうか?彼らはどう見ているのでしょうか?
犬は「自分がリードに繋がれているときには行動が制限される」こういったことは、経験から学習しています。
しかし、相手犬にリードがついているからといって、それはあなたの愛犬にとって安心材料にはなりません。
犬目線では『散歩中に見かける他の犬たちは皆ノーリードで散歩している』ような状態です。
もしあなたの犬が、他犬に苦手意識があるとしたら
「もしかしたら相手がこっちに走ってくるかもしれない・・襲われるかもしれない」そんな恐怖を日々抱いてることでしょう。
その上「自分はリードに繋がれていて行動が制限されている、逃げたくても隠れたくてもできない」このような心理状態の可能性もあります。
想像しただけでも、良くないストレスに晒されていることでしょう。
そして、このようなストレスは、リードに繋がれているお互いの犬同士が感じています。
つまり、それぞれの犬が「自分は行動が制限されていて、相手は自由だ」と感じているということです。
🐾リードの扱いが大事
■知らないうちに吠えるトレーニングをしている

個体差はありますが、リードに繋がれて散歩中している犬は、ただでさえストレスが多い状態です。
にもかかわらず、飼い主がリードでショックをかけたりすると、犬は余計にパニックに陥ります。
例えば、散歩中に他犬(人)に吠えた時に、「こら!」(リードちょんちょん)としていませんか?
または、他の犬(人)をジーっと見ている犬に対して「ほら!いくよ!」(リードちょんちょん)としていませんか?
こういうことを続けていると、”必ず”吠えるようになります。
あまり馴染みがない人が多いと思いますが、犬に吠えることを教えるために、このようなやり方をする場合があります。例えば警察犬のようなワーキングドッグですね。
彼らに*防衛訓練で、禁足(*犯人役を吠えてその場に留めておく訓練)を教える際に、このような訓練方法で”吠えることを教える”場合があります。その後は段々と「合図」で吠えるように訓練しますが、最初は犯人役をジーと見ている時に「リードでちょんちょん」と刺激するのです。
(*防衛訓練とは、FCI国際作業犬試験(IGP)の中の「足跡追求」「服従」「防衛」の一つです。犯人とは言わずヘルパーと呼ばれますが分かりやすいように犯人役としてます)
このように飼い主さんは知らないうちに吠えるトレーニングをしてしまっているのです。