愛犬の困った行動を解決したいと思ったとき、どうしていますか?
他の飼い主さんに聞いてみる。本、ネットで調べてみる。
もしくは、獣医やドッグトレーナーに相談してみる。
こういったことが、ほとんどではないでしょうか?
今回は、ドッグトレーナーに相談して
「相談しなきゃよかった」と後悔する人と「聞いといてよかった!」と思う人の違いを、ご説明します。
ここで一つ、犬のトレーニングにおける大前提を、頭に入れながら読み進めて下さいね^ ^
【犬の行動を変えることは、原則一瞬でできるものではありません。長期的な目線で、少しずつ変えていくことが望ましいのです。】
あなたは、テレビなどで人気の”愛犬のお悩み解決番組”を観たことはあるでしょうか?
例えば、『インターホンが鳴ると吠えて困っています』という依頼者の元に、
凄腕ドッグトレーナーが登場!!あっという間に解決!!という内容があったとします。
どんな方法で直すのかな?と思って観ていると・・・
チョークチェーンというしまる首輪を使って、犬が吠えたらそれをで「シャッ!」と首を締めて、犬をおとなしくさせていました。
いわゆる、罰を用いた方法ですね。
罰を用いた方法は、即効性が高いので一時的に行動を止めることが可能です。
なので、テレビで向きですね。
もしかしたらこのドッグトレーナーさんは、テレビ側から与えられたトレーニングの期間が短かい上に「とりあえずでも良いから吠えないようにして下さい」と、お願いされていたから
このような方法をとらざるおえなかった可能性もあります。
そして、実際にインターホンが鳴っても大人しくしている犬の様子が写されると、
それを観たテレビの視聴者はこう思うでしょう
「すごい!!あのトレーナーさん、一瞬で直した!!!」
「なるほど止めさせたければ、こうすればいいのか!うちの犬でも試してみるか!!」
ですが、実際はカメラに写っていないところで、そばにトレーナーがいて、犬をじーっと睨みつけていたりしますw
視聴者には、ほんの数分のうちに良くなったと思いこませるために、上手いこと編集していますね。
犬の心の中は、”この人が側にいる時に吠えると、痛いことされるからやめとこう・・”
と思っているだけでしょうに。
愛犬の問題を一瞬で解決する凄腕トレーナーという印象を持って
相談に行くと後悔する可能性が高いです。
もしもテレビ的にではなく、普段から罰を用いた方法を多用しているドッグトレーナーに相談したとしたら、あなたはこのようにアドバイスされるでしょう。
「もっときつく叱らないとダメですよ、犬になめられますから」
「もっと強くショック与えないと、犬にダメだって事が伝わりませんよ」
「お母さんは、犬になめられてます。もう少し厳しい態度の方が言うことを聞いてくれますよ」(簡単な一例です)
犬の行動を止めさせることだけに焦点を当てているので、こういった考えになってしまうのかもしれませんね。
とはいえ、言われたようにしたら問題が一時的に解決したら
その方法が正しくて、やっぱりこのトレーナーはすごいと思ってしまうでしょう。
「吠え癖に困っていて、それが早く解決するんだからで別に良くない?」と言う方もいます。
確かに、早く解決する方が良いですが、
罰を多用すると、犬は慢性的なストレス状態になります。
すると、物音に過敏に反応したり、無気力になったり
罰とあなたが関連づいていると、あなたを避けたり唸るようにもなります。
その原因がわからずに、再び同じドッグトレーナーに相談すると
上記のような「もっと叱らないとダメですね」などとアドバイスされ、どんどん悪循環に
陥ってしまいます。
一方で、ご褒美ベースでトレーニングするドッグトレーナーに相談に行くと
あなたはこのようにアドバイスをされるでしょう。
「インターホンが鳴っても吠えなかったら、食べ物をあげて下さいね」
「吠えてる時は相手にせず、その代わりハウスに誘導するなどして、新たな行動を教えてあげて下さい、その行動にたいしてご褒美をあげるようにしてみて下さい。」
(あくまで簡単な一例です)
ただ、このような方法には即効性がなく、長期間トレーニングを継続しないと
改善されたという実感は得られないでしょう。
犬にストレスは与えないのですが、長期間のトレーニングは飼い主のストレスになることもあります。
ご褒美ベースのトレーニングは、ゆっくりと良くなっていくので、それに気づかず途中で諦めてしまう人も多いのが現状です。
トレーナーに対しても「言われた通りにしたけどうまくいかないな」と不信感を抱くことでしょう。
そう考えると、即効性のある罰を用いた方が、ドッグトレーナー的にはよいのかもしれません。
いずれにしても、ご褒美ベースでトレーニングした方が、愛犬にとって良いことが起こるので楽しんで取り組んでくれますし、飼い主を好きになります。
また、ご褒美ベースで一度学習した行動は、定着した後も持続しやすく、他の問題行動も発生しにくくなります。
食べ物を与え過ぎないように注意する必要はありますがねw
もし、あなたが気になっているドッグトレーナーに何か相談したいなと思ったら
今は、犬に対する考え方をブログ・SNSなどで発信している方がほとんどですので、それにザッと目を通してみて、その上で、自分と考え方が近いトレーナーを選ぶようにした方が、後悔は少なくて済むでしょう。
その人の考え方が事前に分からないとすれば会ってみて、
そして「犬になめられている」「叱り方が足りない」「甘やかし過ぎている」などの発言があれば、注意した方が良いかもしれませんね。
ドッグトレーナーといっても、犬に対する考え方、トレーニング方法はそれぞれ違います。
「やっぱりトレーナーに相談しといて良かったな」と思えるように、事前の情報収集は大切です。
そして、私たちトレーナーも「相談して良かったな」と思ってもらえるように、新しい情報を接触的にとり込んでいく必要がありますね!
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